Chapter.1-2 医師が勧める運動習慣の理由
前回の記事では、乳がん治療後の「自己管理」が求められる中で、多くのサバイバーが痛みや再発への不安を抱え、「安静にしておこう」と考えがちであることをお伝えしました。
しかし、実は医師たちは、術後のケアの一環として「適度な運動習慣」を強く推奨しています。なぜ、安静にしたい気持ちとは裏腹に、運動が大切だと言われるのでしょうか?
医師が運動を勧める4つの理由
乳がん治療後の運動には、主に以下の4つの大切な目的があります。
1. 可動域の確保(腕の動きをスムーズに)
手術によって、腕や肩の動きが制限されてしまうことがあります。
適切な運動は、この可動域を保ち、日常生活での腕の動きをスムーズにするために不可欠です。
2.リンパ浮腫の回避(むくみの予防)
リンパ浮腫は、手術や放射線治療の影響で腕や胸などにむくみが生じる症状です。
運動はリンパの流れを促進し、このリンパ浮腫の予防や軽減に役立つと考えられています。
3. 再発防止(病気と向き合う体づくり)
研究により、適度な運動習慣が乳がんの再発リスクを低減する可能性が示唆されています。
体を動かすことは、免疫力を高め、健康な体づくりに繋がります。
4. 肥満の予防(健康的な体重維持)
治療中はホルモンバランスの変化などにより体重が増加しやすい傾向にあります。
肥満は乳がんの再発リスクを高める要因の一つとされており、運動による体重管理は非常に重要です。
届きにくい大切なメッセージ
このように、医師は乳がんサバイバーの皆さんの身体と心の健康のために、運動習慣を推奨しています。
しかし、術後の退院が早まる一方で、医療者が伝えたい「運動の大切さ」というメッセージが、患者さんに十分に届きにくい現状があるのも事実です。
「もともと運動は苦手だし…」
「ひとりでやってもつまらないし…」
こうした声もよく聞かれます。
安心してできる運動とは、一体どんなものなのでしょうか?
次の記事では、そんな疑問に答えるべく、カナダのスポーツ医学者・マッケンジー教授が提唱した「乳がんサバイバーに最適なスポーツの条件」についてご紹介します。
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